無垢材が変色するのはなぜ?
こんにちは。
レジンテーブル槐です。
無垢材とは、一本の原木から切り出された、接着剤などの人工的な加工をしていない一枚板の木材のことです。
⇔合板(薄くスライスした板(ベニヤなど)を接着剤で貼り合わせた板材)
集成材(複数の板材を接着剤で貼り合わせて作られた人工的な木材)があります。
無垢材の家具は、自然の木材ならではの木目や色、模様、質感などさまざまな良さがありますが、
日々使い込むことで増す風合いも大きな魅力です。
色が濃くなったり薄くなったりと、経年変化による色の移り変わりで愛着が増していきます。
しかし無垢材はこのような自然な色の変化以外にも、色が変化してしまう場合があります。
無垢材が変色する3つの原因
(1)経年変化による変色
木材に多く含まれるリグニンという成分が、紫外線を吸収・分解して性質が変化する過程で発生する変色です。
経年変化により自然に色が移り変わるのは、無垢材を使用した家具の醍醐味。
使い込むほどに変化する色は、深みと風合いを増していきます。
経年による色の変化は劣化ではなく、無垢材・一枚板ならではの味だといえます。
木材によって経年変化の仕方は異なり、千差万別です。
(2)風化による変色
紫外線により分解されたリグニンが、雨により流され脱色されることで起きるのが風化による変色です。
これはウッドデッキや木材外壁など屋外で使用される木材によく見られる現象で、風化の場合は樹種を問わずシルバーグレーになります。
またリグニンは木材の骨子となるセルロースを補強する成分でもあるので、
これが流れ落ちることで、変色するだけでなく木材自体が脆くなり劣化してしまいます。
屋外での使用は劣化を早めるため、塗料やオイルの塗布など定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
(3)金属や酸性・アルカリ性の物質が起こす化学反応による変色
経年変化や風化などの自然な変色ではないため、一部分だけ変色するなど不自然な見た目になります。
物質によって異なりますが、白っぽくなったり黒っぽくなったり、変色の仕方はそれぞれです。
酸性のものによる変色は、レモンやお酢のような弱酸性のものであれば、薄いシミが発生する程度です。
しかし、トイレ用洗剤など強酸性のものだと、濃いシミが発生するので注意が必要です。
万が一ついてしまった時はすぐに拭き取ってください。
アルカリ性のものによる変色は、代表的なものとして重曹が挙げられます。
掃除などでも良く使用されますが、こちらも木材を黒く変色させてしまいます。
木製家具を重曹を用いて掃除するのは避けるようにしてください。
金属と無垢材が接触することで起こる変色では、特に鉄によるものが多いです。
釘や針金、ヘアピンのような小さな鉄製品でも発生するので、濡れた鉄製品を無垢材には近付けないのが無難です。
無垢材の変色を防ぐためには
経年変化や風化は一枚板ならではの変化を楽しむという醍醐味の一つです。
しかし、せっかく購入した家具の見た目を大きく損なってしまう金属などによる変色は日ごろからの予防が大切で、万が一の時には素早い対処が必要です。
無垢材・一枚板の家具を掃除する際は、重曹などアルカリ性のものは使用せずに、乾いた雑巾か固く絞った雑巾で拭き上げるのがおすすめです。
また、酸性やアルカリ性のものがついてしまった時、
酸性の場合はアルカリ性のものを、アルカリ性の場合は酸性ものもをかけて中和させて変色を防ぐことも可能です。
その際には濃度が同一である必要がありますので、少し難しいかもしれませんが
シミの程度に合わせて中和剤の濃度を調整して、少しずつ様子を見ながら行ってください。
ちなみに金属が原因となる変色はウレタン塗装にすることで予防が可能なので、こちらも頭の片隅に置いて仕上げ塗装の種類を選ぶと良いでしょう。