商業施設や店舗設計で注目されている「素材統一設計」。家具・什器・壁・サインまで素材を揃えることで生まれる統一感と、「顧客体験・ブランド記憶・回遊性」への影響をプロ視点で解説。
【目次】
- はじめに:商業空間の評価基準は“見栄え”から“体験”へ
- 素材統一設計とは?従来の内装との違い
- 素材統一が商業空間にもたらす3つのメリット
- ① 世界観の確立とブランド価値向上
- ② 顧客導線と滞在心理の安定
- ③ 写真・SNS時代の視覚的一貫性
- 素材別に見る統一戦略の特徴
- 木材・レジン・金属・石材・樹脂系
- レジン素材が選ばれる理由:設計自由度と表現力
- 実例から学ぶ「素材統一」の成功ポイント
- まとめ:空間ブランディングの主役は“素材選定”
1. はじめに:商業空間の評価基準は“見栄え”から“体験”へ
かつての内装設計は、
「雰囲気が良ければOK」「おしゃれなら正解」という考え方が主流でした。
しかし現在の商業施設設計では、
✔ 記憶に残るか
✔ 写真に写るか
✔ 世界観が統一されているか
が重視されます。
その中心にあるのが素材統一設計という考え方です。
2. 素材統一設計とは?従来の内装との違い
従来の内装は、
「椅子は椅子」「カウンターはカウンター」というカテゴリー基準でした。
対して素材統一設計は
→ “どの素材で空間を語るか”を軸に構成するデザイン手法。
空間体験とブランド価値を高める新しい内装戦略と言えます。
| 設計基準 | 従来型 | 素材統一設計 |
|---|---|---|
| 基準軸 | 用途・形状 | 素材・質感・世界観 |
| 目的 | 見た目の調和 | ブランド体験・一貫性 |
| 顧客心理 | 「きれいな店」 | 「この店は何か特別」 |
空間の一体感を作ることで、
ブランド認識のスピードと深度が改善されます。
3. 素材統一が商業空間にもたらす3つのメリット
① 世界観の確立とブランド価値の明確化
素材が統一されている空間は、
入った瞬間に“コンセプトが伝わる”強い印象を持ちます。
高級ホテルがロビーから客室まで素材を統一する理由はこれです。
② 顧客導線と滞在心理が安定する
素材の統一は視覚情報を整理し、認知負荷を下げます。
→ 結果として、顧客は落ち着き、滞在時間や購買意欲が高まります。
③ SNS時代の視覚的一貫性
素材統一された空間は、写真に撮られた時に統一感が残り、
✳ 投稿→印象固定→再訪理由
という循環が生まれます。
4. 素材別に見る統一戦略の特徴
| 素材 | 印象 | 相性ジャンル |
|---|---|---|
| 無垢材 | 温かい・安心・自然 | カフェ・ベーカリー・ナチュラル系サロン |
| レジン | 特別感・高級感・アート性 | ホテル・ラウンジ・美容・富裕層向け店舗 |
| 石材・セラミック | 高級・重厚・信頼感 | ハイブランド・レストラン・ジュエリー |
| 金属(鉄・真鍮・ステンレス) | 無機質・近未来・ミニマル | CRAFT店・アパレル・バー |
| 樹脂・メラミン・ラミネート | 機能性・ローコスト・大量展開 | チェーン店・FC・学生層 |
5. レジン素材が選ばれる理由:設計自由度と表現力
レジンは他素材に比べ、
✔ 色・透明度・パターンが自由
✔ 木・石・金属との組み合わせ可能
✔ “唯一無二の空間コンセプト”を表現可能
という特徴があり、
ブランド家具として設置しやすい素材です。
特に、店舗の象徴(シグネチャー)となるテーブルとして
商業施設で導入が増えています。
6. 実例から学ぶ「素材統一」の成功ポイント
素材統一設計が成功する空間には共通点があります👇
- 素材は2〜3種類に絞る
- テーブル・什器・壁の接点で素材の意味を統一
- 形状より素材の存在理由を優先する
つまり、“家具選び”ではなく
素材の思想を空間に浸透させる設計が重要です。
7. まとめ:空間ブランディングの主役は“素材選定”
店舗は商品を売る場所ではなく、
ブランドを体験してもらう場所へと進化しています。
その体験を支えるのが、
光でも音楽でもなく、まず素材の存在感です。
素材を揃えることは、
デザインではなく戦略。
選ばれる店舗には必ず理由があります。