世界における椅子の歴史
こんにちは。
レジンテーブル槐です。
私達が普段、家庭や職場で何気なく使用している椅子には長く深い歴史があります。
椅子の登場時期に関して詳しい年代は不明ですが、ツタンカーメンの墓から出土していることから、
紀元前3000年頃には椅子の基礎は出来上がっていたとされています。
当時、椅子は玉座など自分の権威を表すものとして使われていたようです。
その後、古代ギリシャ期になると、
後世のデザインに影響を与えた、曲線的な脚と背もたれが特徴的なクリスモス椅子などが生まれました。

クリスモス椅子
今の椅子の原型にかなり近いものがこの頃には登場していたのですね。
その後、中世〜ルネサンス期には豪奢な玉座や折りたたみ式の司教座などが作られましたが、
この頃はまだ貴族や教会など限られた場所での限定的な使用に留まっています。
19世紀の産業革命頃になると機械化による大量生産が開始され、
合理性を重視した近代的な椅子が製造されるようになり、椅子が一般家庭にも広まるきっかけとなりました。
日本における椅子の歴史
日本で最初に椅子らしきものが登場したのは弥生時代で、丸太をくりぬいた簡易的なものでした。
飛鳥~奈良時代には朝鮮から高僧や貴族の腰掛として椅子が伝来しましたが、これは権威の象徴としての利用に留まります。
戦国時代には折り畳みの椅子などが限定的に登場しました。
戦国時代のドラマなどでよく見る、戦時中に陣幕の中で大将が座っているアレです。
明治期になると西洋文化の到来とともに、教育現場で椅子と机が採用されました。
ここから日本の椅子文化が始まります。
日本には畳や床に直接座るという古来からの文化があったため、比較的広まるのが遅かったようです。
現在は、畳の上でも使える座椅子が登場したり、ゲーミングチェアやマッサージチェアなどの多機能・高機能な椅子も登場したりしています。
その進化は凄まじく、座るだけで体調が測れるような椅子も登場しているようですよ。
改めて生活の道具である椅子も、時代の流れの中で変化しながらデザインされたり、使用されたりしていることが感じ取れます。
家具のデザインはもうほとんど飽和していると言っても過言ではありませんが、
未来ではどのように振り返られているのでしょうか。楽しみですね。