天気と木の成長
こんにちは。
レジンテーブル槐です。
もう9月も半ばですが残暑厳しく、秋はまだまだ遠そうです。
近年、「異常気象」という言葉をよくニュースで耳にする機会が増えました。
今年(2025年)の夏は記録的な猛暑で、9月17日現在名古屋では過去最高の52日間の猛暑日(35度以上)を記録しました。
また、線状降水帯を始めとしたゲリラ豪雨も問題となっています。
数日前に水没した三重県四日市市の地下駐車場では、今だ水の排水作業を行っているのだとか。
地球全体の温度が上昇する「地球温暖化」が問題視されて十数年経ちますが、ここ数年は特に加速度的に様々な気候・気象問題が起こっています。
世界的に見られるこの異常な気象や気候変動は、もちろん木の成長にも影響を及ぼしています。
天気と木の成長は密接に関連しており、温度、日照、降水量が木の成長に大きな影響を与えます。
一般的に気温が高いほど、降水量が多いほど、そして日照時間が長いほど木の成長は促進されます。
(※樹種や地域によって異なります)
しかし、だからと言って今の異常気象や温暖化は一概に木の成長を促すわけではありません。
確かに、永久凍土地帯などの冷涼な地域に生息する樹木にとっては、気温が高い方が光合成の機会が増えるため、
温暖化によって成長が促進される場合もあるでしょう。
一方で、異常な降水量により木の根が腐ってしまったり、
温暖な地における更なる温暖化が原因で、成長が抑制されてしまったりするケースもあるのです。
近年の異常気象や気候変動が、どれほど木の成長に影響を及ぼすかを予測するためには、
このように地域や樹種によって異なるため、詳細な分析が必要になってきます。
年輪を見れば過去の天候が分かる?
木は春から夏にかけて、つまり温かい時期に活発に成長し、柔らかい「早材」ができます。
そして秋に近づくと、寒さや日照時間の短さによって成長が遅くなり、硬い「遅材」が形成されます。
この早材と遅材の繰り返しが「年輪」として現れます。
つまり、この年輪の幅は過去の気象条件を記録しているということになります。
温かい時期が長ければ早材の幅が広く、遅材の幅が狭くなるなどの変化がみられるからです。
木の成長の証である年輪を通じて、当時の天候を読み解くことができるということですね。
歴史書は嘘をつくことも、偏った意見になってしまうこともありますが、天然物である木は嘘をつきません。
実際に早稲田大学などでは、歴史学と共同して樹木の年輪から昔の気候を復元する試みなどが行われているそうです。
普段、ただの模様だと思い何気なく見ていた木目も、歴史書のように思えてきてなんだか趣深いですね。