商業施設で増加する“素材統一設計”とは?

商業施設や店舗設計で注目されている「素材統一設計」。家具・什器・壁・サインまで素材を揃えることで生まれる統一感と、「顧客体験・ブランド記憶・回遊性」への影響をプロ視点で解説。


目次】

  1. はじめに:商業空間の評価基準は“見栄え”から“体験”へ
  2. 素材統一設計とは?従来の内装との違い
  3. 素材統一が商業空間にもたらす3つのメリット
    • ① 世界観の確立とブランド価値向上
    • ② 顧客導線と滞在心理の安定
    • ③ 写真・SNS時代の視覚的一貫性
  4. 素材別に見る統一戦略の特徴
    • 木材・レジン・金属・石材・樹脂系
  5. レジン素材が選ばれる理由:設計自由度と表現力
  6. 実例から学ぶ「素材統一」の成功ポイント
  7. まとめ:空間ブランディングの主役は“素材選定”

1. はじめに:商業空間の評価基準は“見栄え”から“体験”へ

かつての内装設計は、
「雰囲気が良ければOK」「おしゃれなら正解」という考え方が主流でした。

しかし現在の商業施設設計では、
✔ 記憶に残るか
✔ 写真に写るか
✔ 世界観が統一されているか

が重視されます。

その中心にあるのが素材統一設計という考え方です。

 


2. 素材統一設計とは?従来の内装との違い

従来の内装は、
「椅子は椅子」「カウンターはカウンター」というカテゴリー基準でした。

対して素材統一設計は
→ “どの素材で空間を語るか”を軸に構成するデザイン手法。
空間体験とブランド価値を高める新しい内装戦略と言えます。

設計基準従来型素材統一設計
基準軸用途・形状素材・質感・世界観
目的見た目の調和ブランド体験・一貫性
顧客心理「きれいな店」「この店は何か特別」

空間の一体感を作ることで、
ブランド認識のスピードと深度が改善されます。

 


3. 素材統一が商業空間にもたらす3つのメリット

① 世界観の確立とブランド価値の明確化

素材が統一されている空間は、
入った瞬間に“コンセプトが伝わる”強い印象を持ちます。
高級ホテルがロビーから客室まで素材を統一する理由はこれです。

 

② 顧客導線と滞在心理が安定する

素材の統一は視覚情報を整理し、認知負荷を下げます。
→ 結果として、顧客は落ち着き、滞在時間や購買意欲が高まります。

 

③ SNS時代の視覚的一貫性

素材統一された空間は、写真に撮られた時に統一感が残り、

✳ 投稿→印象固定→再訪理由

という循環が生まれます。

 


4. 素材別に見る統一戦略の特徴

素材印象相性ジャンル
無垢材温かい・安心・自然カフェ・ベーカリー・ナチュラル系サロン
レジン特別感・高級感・アート性ホテル・ラウンジ・美容・富裕層向け店舗
石材・セラミック高級・重厚・信頼感ハイブランド・レストラン・ジュエリー
金属(鉄・真鍮・ステンレス)無機質・近未来・ミニマルCRAFT店・アパレル・バー
樹脂・メラミン・ラミネート機能性・ローコスト・大量展開チェーン店・FC・学生層

 


5. レジン素材が選ばれる理由:設計自由度と表現力

レジンは他素材に比べ、

✔ 色・透明度・パターンが自由
✔ 木・石・金属との組み合わせ可能
✔ “唯一無二の空間コンセプト”を表現可能

という特徴があり、
ブランド家具として設置しやすい素材です。

特に、店舗の象徴(シグネチャー)となるテーブルとして
商業施設で導入が増えています。

 


6. 実例から学ぶ「素材統一」の成功ポイント

素材統一設計が成功する空間には共通点があります👇

  • 素材は2〜3種類に絞る
  • テーブル・什器・壁の接点で素材の意味を統一
  • 形状より素材の存在理由を優先する

つまり、“家具選び”ではなく
素材の思想を空間に浸透させる設計が重要です。

 


7. まとめ:空間ブランディングの主役は“素材選定”

店舗は商品を売る場所ではなく、
ブランドを体験してもらう場所へと進化しています。

その体験を支えるのが、
光でも音楽でもなく、まず素材の存在感です。

素材を揃えることは、
デザインではなく戦略。
選ばれる店舗には必ず理由があります。

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