木と対話するということ
こんにちは。
レジンテーブル槐です。
「一本の木から、唯一無二の表情を引き出す 」
私たち槐は、日々さまざまな木と向き合っています。
シナ、ポプラ、カエデ、トチ、ケヤキ…。
同じ樹種でも、一本一本にまったく違う表情があります。
木は生きもの。
切られてもなお呼吸し、湿度や温度に反応し、日々少しずつ変化していきます。
だからこそ、木と対話しながらものづくりをすることが、職人の大切な仕事なのです。
木を扱う職人の仕事
■ 木の“個性”を見抜くところから始まる
木材を前にしたとき、職人はまず“木の声”を聞きます。
- どの部分を活かすと美しいか
- どの方向で割れが入りやすいか
- どの節を残せば魅力的に見えるか
一本の木にも、硬い部分・柔らかい部分・色の濃淡・木目の流れなど、
さまざまな「個性」が詰まっています。
その個性を見抜き、どう生かすかを決める――
そこに、職人の経験と感性が問われます。
■ “削る・磨く・仕上げる”すべてが手の感覚で決まる
木を扱う仕事は、決して機械任せではありません。
鉋(かんな)で削る音、手触り、香り。
木目の方向や湿度によって、削り心地が変わります。
少しでも逆目を立てれば、仕上がりが荒れてしまう。
紙やすりをかける力加減一つで、光の反射が変わる。
だからこそ、職人の手の感覚と経験が仕上がりを左右するのです。
「あと一度、磨きを重ねよう」
「この節はあえて残そう」
そんな小さな判断の積み重ねが、一枚の美しい天板を生み出します。
■ 木の“欠点”を“個性”に変える
木には節、割れ、空洞など、いわゆる“欠点”が存在します。
しかし、私たちはそれを木の表情として捉えています。
特にレジンテーブルの製作では、
その「欠け」「割れ」「隙間」こそがデザインの主役になることもあります。
木の不完全さに樹脂を流し込み、透明感や色彩を加えることで、
まるで自然の景色のような一枚が生まれる。
“欠点”を“美しさ”に変える――
それが、木と真摯に向き合う職人の手仕事です。
■ 木の時間と、人の時間をつなぐ
一本の木が家具になるまでには、何十年、何百年という時間が流れています。
私たちが手を加えるのは、その長い時間の、ほんの一瞬。
だからこそ、職人たちは常に思います。
「この木を、次の100年へつなげたい」
樹齢100年の木に、新しい命を吹き込み、
人の暮らしの中でまた年月を重ねていく――。
その循環こそが、木工の本質であり、職人の誇りです。
■ “素材の声を聞く”ということ
木を扱う仕事は、単なる技術ではなく、自然と向き合う姿勢です。
乾燥の度合い、気温、湿度、木の反り具合。
どれも毎日違い、正解はひとつもありません。
その日の木の状態を見極め、少しずつ、丁寧に仕上げていく。
時には思いどおりにならないこともあるけれど、
だからこそ、完成したときの喜びはひとしおです。
レジンテーブル槐
私たちは、木の魅力を最大限に引き出すために、
一枚一枚、職人が手作業で仕上げています。
「この木がどんな空間に置かれるのか」
「どんな人の暮らしに寄り添うのか」
そんな想いを込めて、
木と向き合い、削り、磨き、仕上げていく。
レジンを流し込む瞬間も、研ぎ出す瞬間も、
そこには常に“木への敬意”があります。
一本の木が、職人の手によって新しい命を得て、
お客様の暮らしの中で、再び時を刻み始める。
その瞬間こそ、私たちがこの仕事を続けていて一番嬉しい時です。
木は生きている。だからこそ、手で感じ、心でつくる。
今日も職人たちは、木と静かに向き合っています。