屋久杉とは
こんにちは。
レジンテーブル槐です。
世界遺産として知られる屋久島に生息している「屋久杉」。
縄文杉という名でも聞いたことがあるかもしれません。

数ある木材の中でも、高級材といえば屋久杉を思い出す方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな屋久杉の木材としての特長や、屋久杉一枚板テーブルの魅力を解説いたします。
購入をご検討中の方、欲しいけどなかなか手が出ない方など、ぜひご参考にしてみてください。
自然遺産として世界遺産に登録されている「屋久島」。
屋久島の標高500mを超える山地に自生している、樹齢1000年以上のスギを「屋久杉」と呼びます。
その屋久杉の中には、「縄文杉」と呼ばれる杉の木が存在します。
こちらは学校の地理や歴史の授業でも習うので、聞いたことがあるかもしれません。
縄文杉は屋久島に自生する屋久杉の中でも最大級の巨木で、推定樹齢は約2,000年〜7,200年とされています。
縄文時代から生きていることに由来してこの名が付けられました。
自然遺産として登録された現在は、登山者の踏み付けなどの被害から防ぐために、展望デッキから見られるよう保護されています。
そんな屋久杉がどのような木なのか、屋久杉の生育過程や歴史をもう少し見てみましょう。
屋久杉の生育過程
屋久杉が自生する屋久島は、今からおよそ1400万年前に花崗岩マグマが海底プレートを押し上げて隆起した島で、屋久島の山間部はすべて花崗岩でできています。
この花崗岩の山地は栄養が乏しく、植物が成長するにはあまり良い環境とは言えません。
その代わり、屋久島は一年を通して非常に雨量が多い場所のため、常に新鮮な水に恵まれた環境でもあります。
屋久杉は、そんな過酷な自然の環境下の土壌で、多くの新鮮な水をもらいながら、ゆっくりと育ちます。
そのため、他の木と比べて成長が遅くなります。
成長が遅い分年輪が緻密で樹脂分が多く、腐りにくいので、樹齢千年という長い年月を生きられると考えられています。
屋久杉の歴史
スギはまっすぐで軽く、加工しやすい木材として縄文時代から利用されてきた樹種です。
ではなぜ、屋久杉は1000年もの間伐採されずに生き残っているのでしょうか。
屋久島の山々は古くから霊山とされ、またそこに育つスギは御神木としてあがめられていました。
そのため、伐採する者は16世紀頃までは誰もいなかったと言われています。
しかし、17世紀初頭、当時屋久島を支配していた薩摩藩の島津氏が、財政上等の目的から屋久島に生えるスギに着目し、伐採を始めました。
その後、江戸時代末期までに屋久島に生えるスギのうちの5~7割が伐採されたと言われています。
1970年前後になり、屋久島の天然林伐採に対して、自然保護運動による反対運動が始まると、それを皮切りに屋久杉を中心とする天然林保護のための各種施策がとられるようになります。
1993年、屋久島が世界遺産に認定されたことを機に、屋久杉の伐採に強い制限が設けられました。
そして2001年には、屋久杉の伐採が正式に禁止、そして2019年には屋久杉国有林の搬出も終了しました。そのため現在では新規の屋久杉が市場に出回ることは基本的にありません。
現在手に入る屋久杉は、伐採禁止令以前に伐採されたものか、
もしくは、自然倒木したもののいずれかのみとなります。
そのため、年々希少価値が上がり、なかなか手に入れることのできない高級材として有名になりました。
屋久杉の特長
屋久杉の一番の特長と言えば、やはり他に類を見ない、緻密で美しい木目です。
木目の細かさなどは、普通のスギと比較すると一目瞭然。
過酷な環境下で1年に数ミリずつしか成長しない屋久杉の緻密な木目は、一目見ると吸い込まれるような存在感があります。
また、普通のスギと比較すると、心材の色味が濃く、深みのある色合いも魅力と言えます。
木目とは別に、様々な美しい「杢目」が現れるのも特長です。
屋久杉に見られる杢目には以下のものがあります。
・縮み杢・虎杢・泡杢・笹目・光明・蓮根
どれも非常に珍しい杢目でこれらが入ることにより、さらに希少価値が上がります。
屋久杉の特長の一つとして、その独特な「香り」もあげられます。
屋久杉の香りは、普通のスギのようなさわやかな香りとは少し異なり、落ち着きのある上品な香りが特徴です。
やわらかく、あまい香りと表現する人もいます。
そもそも木の香りの正体は、「フィトンチッド」という樹木自らを虫や菌から守るために作り出す精油成分です。
他のどの木よりも長い年月を生き続け、自分の身を守るために自ら作り出した屋久杉自身の香りは、唯一無二の存在と言えるでしょう。
屋久杉は、普通のスギに比べて、樹脂が多く腐りにくく虫にも強いという特徴があり、耐久性の面でも優れています。
それに加え、前述してきた通り、屋久杉は成長が遅く年輪が詰まっているため、圧縮・引っ張り・曲げなどの強度も普通のスギに比べると優れています。
とは言え、屋久杉もスギと同じ針葉樹のため、重厚な木材としてあげられるアフリカ材などの広葉樹と比較すると、柔らかい木材です。
屋久杉を使用した製品の取扱には十分注意する必要があります。
まとめ
屋久杉のテーブルと聞くと、和室に置く座卓をイメージする方が多いのではないでしょうか?
厚みがあり、高級感と風格のある屋久杉一枚板を使用した座卓ももちろん魅力的ですが、実は洋室にも合わせやすい種類です。
他の樹種では演出することのできない高級感と、和モダンテイストなおしゃれな空間を作ることができます。
伐採が禁止され、市場に出回らなくなった屋久杉。
その希少価値は年々あがり、テーブルに使用できるほどの一枚板を見られる場所も少なくなってきています。
屋久杉の一枚板テーブルは、他の樹種と比較するとその希少性からやはり高額なものが多いですが、
お住まいの顔として迎え入れて頂くと、贅沢で上質な時間と空間を与えてくれます。
屋久杉のテーブルを検討されている方はもちろん、木が好きな方、そうでない方も、実物をご覧頂き、大自然のパワーを体感してみてください。